誕生秘話
… 2キックの誕生からこの一年 …

それは偶然ではなく
必然だったのです…


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2009年6月14日
平塚総合体育館にて
湘南平塚マスターズが開催されました


わたしは
この年 40歳になりました


エントリーしたのは 800m自由形


区切りの年に いい記録を出したい!
という強い思いから
この大会に向けて練習を始めました


私は日頃 1週間に3000mくらいの
練習しかしていません


1週間に3000mが
多いか少ないかは分かりませんが


少なくとも
同じレベルで泳ぐ皆さんと比べると
極めて少ない練習量です


しかし
がんばるぞ!と決めた
大会が近づくと
もう少し多めには練習していました


この平塚に向けて練習を始めたのは
5月のはじめ頃です


週に最低3回
多い週は ほぼ毎日
泳ぐようにしました


強度もじょじょに上げていき
6月に入ってからは
かなりスピードを上げたまま
本数を重ねる練習をしていました


そして ついに迎えた
大会4日前の6月10日


「追い込む練習は  今日で最後にしよう!」 と思い 
最後の追い込み練習をしました


この時は 100mを20本 1.30サークルで
練習していました


5本目くらいまでは
順調に泳いでいたのですが

6本目から
「おや? なんかおかしいぞ…?」


何が起きたのか よくわからなかったのですが
突然 身体が 思うように動かなくなってしまったのです!!


気持ちは いきたいのに 身体がついてこない…
しっかり かきたいのに 後ろまで かききれない
肩を前に出したいのに 前に出ない…
 

完全にオーバートレーニングです


そんなことで 6本目で失速しました


ほとんど 休まず 7本目をスタート
もちろん 状況は 変わりません


でも 「今日が最後だから 何とかサークルを回りたい!」 と思い


動かせる範囲内で 回転を上げて泳いでみました
テンポが早く 6回のキックは打てず
足は自然と2キックに…


感覚としては
ものすごく小さいストロークをしているし
きっとサークルには間に合わないだろう…
と思っていたのですが
これが 思ったより遅くなかったのです


そんなこんなで
20本を なんとか泳ぎ切りました


そこまでは よかったのですが
この日を境に 体調を大きく崩したのです…


大会までの 中3日間は
熱を出し 寝たきり状態…


大会当日も 熱がありましたが
どうしても棄権はしたくなかったので 出場しました


ものすごい 絶不調にもかかわらず
記録は なかなかよかったのでビックリ


おそらく これまでの練習と
中3日間の完全休養があったからだと思いました


湘南平塚マスターズも終わり
しばらくして
「あの最後の練習の泳ぎは何だったんだろう?」
と思いなおし
それから 2キックの練習を始めてみました


何度も泳ぐうちに
「おや!?」と思える
何ともしっくりくる瞬間が
分かるようになりました


たいした腕のかきもなく
たいしたキックも打たず
身体をたくさん使い
全てがかみ合う瞬間が!!


そして もう一つ
あることをしたおかげで
これまでのクロールとは けた違いに
速く泳げるようになったのです


「いつか これを大会で試したい・・・」


7月に入り
迎えた大会は「ジャパンマスターズ」


いつもなら「400m自由形」に 必ず出場するので
ここで試せるはずなのですが


あろうことか
私は この40歳の年に
全種目制覇」をやることに 決めてしまったため


ジャパンマスターズは
自由形以外の4種目を
すでに エントリーしていたのでした…


8月に入り
ようやく 2キックを試す場が…


毎年出ている
「三浦遠泳」です!


三浦遠泳は 海を4km泳ぐ大会


練習では 絶好調!
でも これを4kmも続けて大丈夫だろうか…


もう いいや!
とにかく余計なことは考えずに
最後まで2キックで泳ごう!と…


結果 これまで出場した
三浦の記録としては
非常に速い記録でゴール!


年代別で2位という うれしい結果となりました


9月に入り
これまた 毎年 必ず 400m自由形に出場している
「神奈川マスターズ」


しかし 全種目制覇しなければいけない事情で
自由形以外の4種目にエントリー


やはり「プールで結果を出さないと…」


そして迎えた 9月21日(日)
法政大学で開催された「多摩ロング」
エントリーは1500m自由形


ここで いよいよ 2キックの成果が
試されることになりました!!


この時 すでに
練習では これまでとは 考えられないほど
恐ろしく 速く泳げていたので
「いつもの練習通り泳ぐ」
ということだけ考えて 泳ぎました


結果 ベストを約1分も短縮する
大ベスト!!
しかも 1600m泳いでしまう失態まで…


10月には サクラマスターズの
200m自由形で 夢の2分ひとケタが…


11月の三重では
400mで4分半  1500mで18分半


なんというか
記録が速くなったとか ベストが出た!
ということではなく


全くの別次元に来たような…


自分とは まったく違うレベルの世界に
来てしまった感じです


2010年に入っても
2キックの勢いは止まりません


2月の町田市マスターズでは
400m自由形で ベストを10秒も更新!!


練習でも泳ぐたびに 練習ベストを更新
はじめは 「またしてもベストが出ました!」と
大騒ぎしていたのですが
ちょっと 怖くなってきてしまい
最近は おとなしくしていました


一年たった今も なお
練習は泳ぐたびに いい記録が出ています


わたしの場合 この10年で
出場した大会は 中・長距離系が多いです


ただ もう 長距離にしても
ましてや 中距離に至っては
これ以上 記録が伸びることは
ほとんどないだろう という感じでした


そんな中での この2キックの誕生は
わたしにとって
クロールの 革命的な出来事でございます


この2キックの特徴はたくさんあります


疲労が少ない
本数を重ねてもタイムが落ちない
ボディポジションが高い
身体を使う
などなど・・・


細かいポイントをあげると 50項目以上あります


ただし この2キックの厄介なところは
「自分が泳いでいる感覚と 実施に泳いでいる姿が かなり違う」
というところです


わたしは 自分が泳いでいる姿を 動画で撮ってもらって
ものすごく ビックリしました


なぜなら こんな風に泳いでないからです


なので 見たイメージで泳いでも
この動きには ならないと思うのです


自分では よ〜く動きが
分かってきたのですが
伝えるのが 非常に難しい動きです


キックやストローク 呼吸のタイミング 身体の動き
などなど それぞれが良くても
動きが かみ合わないと
そこそこの記録しか出ません


しかし これらが ピタッとかみ合うと
ビックリするくらい楽で
ビックリするくらい少ない力で
ビックリするくらい
速いタイムになってしまうのです


長くなりましたが そんなわけで
2キックが誕生したのは
6月10日です


6月10日は 「2キックの日」


これからも
毎年 勝手に 誕生会をやろうかと思います!