真の世界記録




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真の世界記録を見る前に
一言↓を・・・


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●記録の進化

競泳の進化は 記録の進化でもあります。

1896年の「第1回 アテネ五輪」から始まり 
少しずつ 少しずつ 記録は更新されてきました。

平泳ぎは 平泳ぎとバタフライに分離し
男女の種目数も同じになり 種目数も増えていきました。




●記録の停滞

1980年代に入ると 世界記録の更新は 少なくなりました。

世界記録が更新されても
0.1秒 0.01秒という 小さな単位での記録の短縮になっていきました。

1990年代になると 世界記録が1つも誕生しない年もありました。

泳ぐスピードは 人間の限界に来たか? などと言われるようになりました。




●再び記録の更新

2000年になり 足を覆う水着が誕生すると 
記録の更新が見られるようになりました。

これが水着によるものかどうか 難しい判断ではありますが 
これまで滞っていた「世界記録」が
再び 2000年から 更新され始めたことは事実です。




●高速水着による記録の乱立

そして問題の2年間がやってきます。

その2年間とは 高速水着が誕生した 2008年と 2009年です。

こんなことは全くあり得ない話ですが 
この2年間に 1500mを除く すべての種目で 世界記録が塗り替えられたのです。

2009年のローマ世界選手権では 
「43個」の世界記録が誕生するという 異常事態となりました。




●高速水着禁止後の記録の問題

2010年に 高速水着が全面禁止となりました。

高速水着が禁止ということは 「高速水着で出した記録はまずい」ということになります。

しかし 世界記録は 高速水着で出した記録のままになっています。

わたしは この2年間で出された記録は 「参考記録」などにするべきだと思います。

このように 現在の世界記録とされている記録は 
水着によって作られた記録なので「真の世界記録」ではないのです。

このあたりの事を よく分かっている人ならいいのですが
よく分からない人が 「現在の世界記録」を見ながら国際大会などを見た時に 
「どんなにいい記録を出しても 世界記録と比較すると遅いから たいしたことないんだ・・・」という 
とんでもない勘違いをし 大変つまらないレースに見えてしまう可能性があるのです。

そこで 正しい記録の知識を知っていただこうと思い 
「問題の2年間を除いた世界記録の一覧」を作ってみました。

つまり これが「真の世界記録」ということになります。

この「真の世界記録」を見ながら観戦いていただけると 速いのかどうか
とってもよく分かると思いますので ぜひ参考になさってください。

これを作っていて 非常に驚いたことがあります。

それは 高速水着が禁止になった2010年以降の記録が
2007年までの記録を更新している種目が かなりあるということです。

これは単純に 泳ぎが進化しているということが言えると思います。



真の世界記録