解説:新井師範
実技:高橋黒帯
[ゴムを知らずしてゴーグルを語るべからず]
私が門下生にいつも言う言葉である。
カップが目から離れぬように重要な役割を果たす[ゴム]。
ここで、ゴムを知り、黒帯を目指すのだ!!。
天然ゴム
これは昔からあるいわゆる[ゴム]である。
天然ゴムは伸縮性に優れているといえる。
しかし、耐久性がなく、劣化が早いのも特徴。
ひびが入ったり、切れてしまったり、
ゴム同士がくっついたり、溶けてしまう事もある。
ゴムを加工した物
こちらは、最も多いタイプの加工した物である。
メーカーによって呼び名や、成分が若干異なる。
(ポリカーボネイト・エラストマーなど)
これは、耐久性に優れているといえる。
まず切れたり溶けたりくっついたりする事はない。
耐久性は優れているが
ゴムほどの伸縮性はないのである。
伸びるプラスティックという感じで
[ゴムがゆるいので短くしよう]と
短くしようとすると、
きつくなりすぎてしまう事もある。
シリコン
最近新しく出る少々値段の高い物は
ほとんどがシリコンタイプである。
これは、耐久性に優れ、
かつ、伸縮性にも優れている。
かけ心地は非常にいい。
普段練習に使うには最も適していると言えよう。
ただし、大会等では、ゴムの伸縮性が良過ぎて
飛込んだ勢いでゴーグルが外れる可能性は非常に高い。
そこで黒帯にまずは加工したゴムを両手で引っ張ってもらった。
黒帯は、日頃から表情をおもてに出さないタイプなのだが…。
おっと、黒帯の表情がいつになく険しい…。
この表情からもおわかりのとおり、
[力を入れているのに、思ったほどゴムが伸びない]ことがうかがえる。
次に黒帯にシリコンを引っ張ってもらった。
そのおだやかな表情からも、おわかりとおり、
[力を入れなくても、ゴムがよく伸びる]という感じが、明白である。
以上のような点から、やはり耐久性などからいくと、天然ゴムはダメになるのが早い。その点、加工したゴムやシリコンは劣化しにくいと言える。ゴムの伸縮性は天然ゴムはやはりいい。シリコンは天然ゴムよりも柔らかく、強く引っ張ると切れてしまいそう。加工したゴムは伸縮性に欠ける。
そうなると、一番新しくできたシリコンタイプのゴムを普段使用し、大会等には天然ゴムか、加工したゴムを使用するのがbestかと思う。
ちなみにゴーグル道場で黒帯となると、気に入ったカップに気に入ったゴムなど、自分で付け替えてしまうのだ。