次号「SWIM誌」で「長沢二郎さん」をご紹介する記事が載ります。長沢さんが泳ぐようになったきっかけから、失敗、挫折を繰り返し、ついに手に入れた五輪の切符。しかし、その五輪で惨敗…。その後ドルフィンキックを発明し、16回もの世界記録を打ち立てる!!。悔しい時に思ったこと、レースで心掛けていた事など、インタビュー形式で、大変いい話になっております…。とってもいい感じの記事になってよかった〜。これなら長沢さんも納得してくれるに違いない!?。
この長澤さん、すっとぼけた事ばかり言うのですが、大変頭が良くて、何でもよ〜く分かっている、かなりの曲者です…。
数年前に世田谷プールに泳ぎに来ていた「長澤さん」に偶然出会って、どういうわけか、親しくなり、3回ほど飲みにも行き、すっかり長澤さんのお友達みたいになっています。
私がはじめて早稲田のOBの人に長澤さんを紹介されたとき…。
「はじめまして、私あらいと申します。あのバタフライで有名な長澤さんですか?。」
「ああ、いるよね。有名な長澤さんね〜。同姓同名だね。」
「え??違うんですか?。」
「うん。そう。ボクが長澤だよ。」
「え?どっちですか?。バタフライの人ですよね?。」
「そうだけど〜。」
な、ナンダこの人は??。
いつもこんな調子…。
今回、そんなことを知ってか「SWIM誌」さんから、長澤さんのインタビューの話があり、引き受ける事に…。
そして先々週の火曜日に約3時間、カメラマンさんと、編集さん、あらい、長澤さんの4人で、長澤さん特集の取材となりました。
え〜。予想はしておりましたが、この日のインタビューも大苦戦!?。編集の方の、ほとんどの質問にも…
「そうことは、ぜ〜んぶ、その本に書いてあるんだよね〜。」
で終わり…。年号など細かい事になると
「そういう詳しいことは、全部あらいが知ってるから、あらいに聞いてみて。」
実は、ものすごくよ〜く知っているくせに!。ぜんぜんインタビューになってない…。
そこで、本には書いてなさそうなことを聞いてみた
「やっぱり バタフライの選手って気になりますか?。」
「ぜ〜んぜん。バタフライの選手なんて全然興味ないね。」
「そうなんですか。古橋さんなんて、いまだにクロール以外は泳ぎじゃないと思ってますよ。」
「そんな人もいるんだね〜。」
「今の選手にバタフライを作ったのが、長澤さんだということを知らせたいですよね。」
「柴田や山本や高安なんて、ボクの事知らないだろうね〜。中西は知ってるかもな。あいつは枚方だろ?。後輩がいるんだよ。」
「す、すごい興味あるじゃないですか!」
こんなことも…。
「足も弱ってきたけどさ、最近すっかり目が見えなくてね。お前の顔も分からないよ。」
「そうなんですか。お昼はどうします?」
「別の店に行ってもいいけど、歩くのがきついからここで食べよう」
「じゃあ、そうしましょう」
メニューが来た。また、このメニューがものすごく字が小さい…。
「長澤さん何にします??。」
「ボクはね、そのトーストで。」
「しっかり見えてるじゃないですか!。こんなちっちゃい字まで!」
結局、バタフライ誕生の話よりも、記事にはできそうもない話ばかり聞いてしまい、3時間が経過…。あとは私がうまくまとめるということで終了。
「あらいくん、この雑誌っていつ出るの?」
「4月19日ですよ。」
「ボクが表紙で売れるかなあ?。」
「い、いや、長澤さん、表紙じゃありませんから…」
「さっき写真撮っただろ?」
「あ、あれは表紙じゃありませんよ!!。」