雑誌「トライアスロン・JAPAN・1月号」に、またまた、「記事」が載りました!。今回は特集記事。記事を書くのは、今年、7回目。特集の記事を書くのは3回目です!!。なかなか難しいお題にかなり試行錯誤しましたが、無事、〆切までに出来上がりました。今回の特集は、トライアスリートの冬の間のSWIMレベルアップ作戦!。冬を3つの時期に期分けして、そこで、どのようなことを目的に、どのようなメニューを、自分で組めばいいか・・・という内容です。今回は編集されたてきたものが原文とあまり変わらなかったので、実際に記事になったもの載せます…。
あらい式
長距離スイム・実力アップ集中講座
?オフの苦手種目レベルアップのための泳ぎ込み計画?
レースのないこのオフの時期に、徹底的にスイムのレベルアップを図る本企画。好評だった前回の特集で紹介した内容も踏まえ(06年6月号・P16?)、より実践的なスイムトレーニングをここでは紹介します。
指導・文/新井敏郎(あらいSS代表)
写真/播本明彦
イラスト/田川博之
あらい・としお
マスターズスイマーやトライアスリートらを対象に長距離泳に特化した練習会を開催している『あらいスイミングスクール(SS)』代表。20代後半、トライアスロンやフルマラソンに出場することになったのがきっかけでラン練習を開始。その経験をヒントに独自の長距離泳トレーニング法を確立した。自らもOWSの大会などで活躍している。
●あらいSSホームページ
http://www2.ocn.ne.jp/~araiss/
あらい式・ポイント1
ロングにはロング専用のメニューの組み方がある
通常、一般的に出回っている水泳のメニューは、いわゆる「競泳」のレースフォーマットで強くなるために考えられたものが多く、これは短距離でのスイムの練習法を中心に進化を遂げてきたものなのです。さらには、競泳種目で最も長い種目でも「1500m」。しかも競技時間が20分を超えないため、本当の意味での長距離スイムとは言えません。つまり、宮古島の3kmやアイアンマンの3・8km、さらには一般選手が泳ぐ1500mとは全く競技時間が異なります。そこで、これらのレースを目標にするのならば、それに応じた長距離・長時間の泳ぎを意識した練習を取り入れることが最も効果的なのです。ここで一番大きなポイントとなるのは、「有酸素状態でインターバルを組む」ということ。競泳の特徴である、「一旦心拍数が落ち着く休憩時間が多い」という点をできるだけなくし、長距離に対応できる身体とスキルを養っていくのです。以上のことも踏まえ、今回は、今(オフ)からジックリと仕込み、来季のレースで結果を出したい人のための、スイムメニューの組み立て方を紹介。具体的には、4月のシーズンインに向けて泳ぎを仕上げるという計画で、下記の4つのスパンに期分けして、取り組みやポイントとなることをまとめていきます。
? 第1期/ベース作り期間(12月〜1月中旬)
? 第2期/泳ぎこみ期間(1月中旬〜2月末)
? 第3期/スピード&LSD期間(3月?)
? 第4期/テーパー期間(レース前1週間)
あらい式・ポイント2
今から少しでも実戦メニューを加えると後々大きく違ってくる
トライアスロンでのスイム競技は、ほとんどが海などのオープンウォーターで泳ぐことになります。プールで泳ぐ場合と海で泳ぐ場合とでは違う点が多々ありますが、海での練習というのはそうできるものではありません。やはり、スイム練習はプールがメインとなります。そこで、「あらい式」トレーニングでは、日常の練習の中に、実戦を想定したメニューを入れるようにしています。方向確認や、波に応じて左右で呼吸を行うといった実戦的な泳ぎは、シッカリと体得するのにそれなりの期間がかかるものなのです。長距離を意識したエンデュランストレーニングの中に、少しでもそういったメニューを加えてやり、今から取り組んでおく。すると来シーズン、非常にスムーズに海での泳ぎに順応できるようになるはず。そうする(実戦メニューを入れる)ことで、より長距離スイムに特化したプログラムを組むことが可能となる訳です。下記に、今回のメニューに登場する「海を想定した練習のバリエーション」を紹介しますので、まずはこれを把握するようにしてください。
プールでできる、海を想定した練習バリエーション
?水中目隠しスイム
海ではどんなに水が澄んでいても、水中で進む方向を確認することができません。さらには水がにごっていると、それだけで不安になってしまうもの。そこで海での方向確認は、水面から顔を上げて水上の目標物を見ながら行います。この海と同じ状況をプールで作るのです。プールでは水中でも方向が分かるので、水中では目をつぶり、そして水上に顔が出たときのみ、目を開けるという練習を行います。これで、より海に近い感覚で泳ぐことが可能になります。水の上だけで目を開けることに慣れてくると、方向確認を頻繁にするようになり、海でまっすぐ泳ぐ練習にもつながるのです。
?グランス・スイム
グランス(glance)とは「ちらっと見る」という意味で、私が勝手に作ったドリル名なので、しっくり来ない人は気にせずに(笑)。海で泳ぐ場合、目標物をあらかじめ決めておいて、その目標物を確認(ヘッドアップ)しながら泳ぎますが、これをプールで行う練習です。慣れないうちは高い位置の目標を見る練習から始めます。プールの照明などを目標にしながら泳ぎましょう。そして徐々に目標を低い位置に設定し、最終的には水面に出来るだけ近いところに目標物を置きます。プールサイドにビート板を立てる、水面に浮くものを設置する……などなど、色々な高さに目標を置いて、確認しながら泳ぎましょう。そこでのポイントは、「じーっと見る」ではなく、「ちらっと見る」動作で済ますこと。顔を上げる時間をより短くすることで、普通のクロールと変わらないリズムで泳ぐことができます。これが楽にできるようになると、ヘッドアップの疲労が軽減され、その上、目標を確認する時間(ロス)を少なくできます。前方に顔を上げるタイミングは、キャッチ(手のかき始め)の瞬間に顔を前方に上げ、フィニッシュ(手のかき終わり)で横に顔を横に向け、呼吸をします。顔を上げる際は、目標物が見れるだけでいいので、「目だけが水面から出るくらいの感覚」でいいと思います。
例)右側で呼吸する場合
右手のキャッチ(手のかき始め)で前方に顔を挙げ、目標物をすばやく確認。その後、フィニッシュ(手のかき終わり)で右に顔を向け呼吸をする。
?口閉じスイム
特に水泳を専門にやってきた人に多いのですが、無意識のうちに水中で口を開けている選手がいます。おそらく、力が抜け口元もリラックスしているからだと思いますが、海を想定した場合、「口を閉じて泳ぐ」意識を持つ必要があります。そうしないと、プールでは何の問題もないのですが、海では大変なことになってしまいます。私事ですが、初めて海のレースに出たときに一番つらかったのが、「海水の塩辛さに耐えられない」でした。その後、自分が水中で口を開けっ放しで泳いでいることに気づいたのです。これは、水泳を専門にやってきた人には要注意事項です。
?両側呼吸スイム
クロールの息継ぎは「横」を向いて行います。海で泳いでいると、あらゆる方向から波が来るのですが、右呼吸で右から波が来ると、水を飲む確率が非常に高くなります。これを防ぐには、左右両側で呼吸ができることが理想です。また、ただ左右で呼吸するのではなく、右で呼吸しているときは、左から波が来ていることを想像しながら練習するとイメージが湧きます。
?HYP(ハイポキシック)
HYP(ハイポキシック)とは呼吸制限のことですが、ここでは左右両側で呼吸するためのバリエーションを紹介します。つまり、<D>両側呼吸スイムの発展版です。
●HYP3
3かきに1回の呼吸で泳ぐ練習。これにより、右呼吸の次は左呼吸という具合に、交互に両側で呼吸する練習になります。
●HYP3?2
これは、呼吸を、3かきに1回、2かきに1回、3かきに1回、2かきに1回……の繰り返し。そうすると、初めは右で呼吸すると、次は左、次はもう一度左、今度は右……と、自身の不得意な側が2回連続でやって来ます。これは、両側呼吸克服のために非常に有効な練習です。
●HYP3+4
これは、3かき目と4かき目に連続して呼吸を入れるというもの。はじめは右で呼吸すると次は3かき目に左、その後すぐに(続けて)右で呼吸します。連続して左右で呼吸するためには、泳ぎの軸がしっかりしてないとできません。また、呼吸時に身体が開いてしまうと、次の連続呼吸に身体の動き間に合わないようになるので、これも効果的です。
?カウント・スイム
25mまたは50mでストローク数(手をかいた数)を数え、できるだけ少ない回数で泳げるようにする。ストローク数が少ないということは1回のストロークで進む距離が長いということ。少ないストロークで大きい泳ぎを作る練習です。
オフの大まかな組み立てを考えよう
それでは、早速、海を想定した泳ぎ方も少し入れながら、ロング用・泳ぎ込みメニューの組み立て方のポイント、留意点を、各期分けごとに紹介していきましょう。
? 第1期「ベース作り期間」 12月〜1月中旬
前のシーズンの泳ぎを一旦見直す時期。距離は少なめに。基礎的な練習を多く取り入れ、泳ぎのフォームを考える時期とします。
<この時期のポイント>
★1ストロークで進む距離を長くする。
『?カウント・スイム』で大きい泳ぎを作る。25m、または50mでストローク数(手をかいた数)を数え、できるだけ少ない回数で泳げるように取り組む。
★キック練習を多めに、体幹を安定させる
特にトライアスロンでのスイムは「うで中心」、「脚はできるだけ使わないほうがいい」と思っている方が多いと思いますが、スイムでの『脚』というのは、方だのバランスをとる重要な役目があるので、キックの練習は必要不可欠といえるのです!
★左右で呼吸をする(波よけ対策)
この時期は、『?両側呼吸スイム』にも取り組みましょう。完璧にできなくてもOK! 苦手側で少しでも呼吸ができればOKとします!
★目標確認を入れる
ここでは『?グランス・スイム』で、「キャッチのタイミングで顔を上げられる」ようにも取り組みましょう。とはいえ、顔を上げるタイミングは難しいので、何度も練習して、呼吸したい側の手をかき始め時に前方が見えれば、それで良しとします。
★方向確認を入れる
『?水中目隠しスイム』で、「水中で目をつぶって泳げる」ことを目標にしましょう!
? 第2期「泳ぎこみ期間」 1月中旬〜2月末
距離を増やし、泳ぎ込みをメインとする時期。有酸素系の練習を多くし、「より楽に」「より持久力を高める」ようにします。
<この時期のポイント>
★1セットの時間を長くする
メイン練習となる有酸素レベルのセットを30分以上にする。設定1回のセット時間を長くし、より実践のレース時間に近い練習を行なう。距離よりも時間を重視。長い時間を泳ぐことで、ディスタンス・スイムの不安を軽減させる。
★?両側呼吸スイム(波よけ対策)
この時期は、「苦手側の呼吸が楽に感じる」ことを目標にしましょう。特にやりにくい側の呼吸というのはローリングが少なくなる傾向があります。「顔だけを横に向ける」のではなく、「身体ごと横に向ける」という感覚で行なうと、やりやすくなりますよ。
★?グランス・スイム(目標の確認)
ここでは「一瞬で目標が見れる」「左右、どちらのキャッチでも顔が上げられる」ことを目標にしましょう。より短時間で、より低い位置の目標が見えるように努力します!!
★?水中目隠しスイム(方向確認)
「目をつぶっても曲がらない」ことを目標にしましょう!
? 第3期「スピード&LSD期間」 3月?
より実践的な要素を増やし、スピードUPを目指す時期。
<この時期のポイント>
★LSDスイム
1500m以上の距離を通して泳ぐ日を作る。
★?両側呼吸スイム(波よけ対策)
この時期は、「左右どちらで呼吸しても違和感がない」ことを目標にしましょう。頻繁に左右の呼吸を入れ替える練習などを取りいれます。
★?グランス・スイム(目標の確認)
ここでは、「前方に顔を上げることが楽に感じる」こと、そして「前方に顔を上げる動きを入れるクロールと、前方を向かないクロールのタイム差をなくす」ことを目標にしましょう。1ストロークの中に自然に前方を向く動きが入れられるようになればOK!
★?水中目隠しスイム(方向確認)
「目をつぶっても不安にならない」を目標にしましょう。目をつぶることも大事ですが、一番大事なのは不安にならないことなのです。
? 第4期「テーパー期間」 レース前4週間
疲労し過ぎないように調整する時期。
<この時期のポイント>
★極端に距離は落とさないように
ただしスピードは控えめに……。
泳ぎ込みメニューの組み立て方
あらい式・ポイント3
自分のサークルTTを把握する!
「あらい式」では、トレーニングタイム(以下、TT)というものを基準にメニューを作っています。そもそもこれは、レベルの違う人たちが同じ強度で練習ができるように私が考え出したもの。これを基準にすると、どんなレベルの人でも、今回の長距離強化スイムトレーニングを、理想の強度で取り組めるのです。まずは、自分の200mの自己ベスト記録、または1500mの自己ベスト記録から自分の「トレーニングタイム(TT)」を見つけます(早見表参照)。このTTというのは、そのレベルの人が指針とする「50mのラップ」にあたります。ただし、1分1秒や1分17秒などのTTをそのまま利用すると、タイム設定がしにくくなる。そこで、実際にはそれに近いキリのいいタイムとなる『サークルTT』(早見表グレー部分)を基準に活用し、サークル(※)の時間などを設定するようにします。ここでは「60分メニュー」を基本に具体的に考えてみました。
『サークル』とは?
スイムトレーニングでひとつのメニューにかけるタイム。「実際に泳いでいる時間+次のセットまでの休憩時間(レスト)」を含めた1本のトータルタイムのこと。設定タイム内で回せない場合はレベルを下げる。※TT・トレーニングTT表入る(6月号と同じ内容の表になります)
これがトライアスリート向けのオフの泳ぎ込みメニューだ!
? 第1期「ベース作り期間」 12月〜1月中旬
この期間はフォーム改善のためのドリル練習メインで、それプラス有酸素セットを組んだメニューとなります。
●W/UP(ウォーミングアップ)セット<A>【15分間】
●ドリルセット<B>【20分間】
●有酸素セット<C>【15分間】
●ダウンセット<E>【10分間】
? 第2期「泳ぎこみ期間」 1月中旬〜2月末
この期間は有酸素セットを長く、プラス、スピード有酸素を少し取り入れたメニューとなります。
●W/UPセット<A>【15分間】
●有酸素セット<C>【30分間】
●スピード有酸素セット<D>【5分間】
●ダウンセット<E>【10分間】
? 第3期「スピード&LSD期間」 3月?
この期間はスピード有酸素を多く取り入れたメニューとなります。
●W/UPセット<A>【15分間】
●有酸素セット<C>【20分間】
●スピード有酸素セット<D>【15分間】
●ダウンセット<E>【10分間】
? 第4期「テーパー期間」 レース前1週間
この期間はあまり距離は落とさないで、強度を下げた有酸素練習メニューを組みます。
●W/UP、ダウンを兼ねた有酸素セット【30分間】
※具体的メニューはP00参照
各メニューの作成法&バリエーションの紹介
各期間のメニューの組み合わせの基本を知れば、後は具体的なメニューを作成するだけ。ここではその組み立て方、バリエーションの出し方を紹介します。
<A>W/UP(ウォーミングアップ)セット【15分間】
どの時期でもW/UPとして15分間泳ぐようにします。そもそもW/UPとは、身体を温めることが目的なので、ゆるい有酸素レベルでOKです。このW/UPのサークル設定の目安は、「50mのサークルTT+10〜20秒」となります。
●基礎編
50mのサークルTTが1分00秒の人の場合、上記「サークルTT+10〜20秒」より、50mを1分10秒〜1分20秒サークルで行います。基本的には、これを15分間行なうセットを作ることとなります。
次に本数の決め方ですが、仮に50mだけのセットで行なうとすると、1分10秒サークルだと「50m×12本」(70秒×12=14分……15分を超えない範囲で本数を設定する。余りのタイムは次のセットの休息時間に充てる)。1分20秒サークルだと「50m×11本」(14分40秒)ということになります。ただ、50mばかりでは飽きてしまうので、100mや200mも入れるようにしましょう。
●応用編?1
では100mや200mだと、どのようなサークルに設定すればいいのでしょうか? 「50mあたり、サークルTT+10〜20秒」なので、まずはそのまま100mならば2倍、200mならば4倍にします。ただ、たとえば50mで1分サークルと100mで2分サークルとでは強度は同じに見えますが、距離が長くなるほど1本終わった後の休憩時間が増えるので、強度は落ちる傾向にあります。そこで、100mでは「50mの2倍の−5秒」、200mでは「50mの4倍の−10秒」くらいが、だいたい同じ強度になります。
例)「50m/1分10秒サークルを12本」。これを100mで同じ強度でやるとすると、サークルは「2分15秒(1分10秒×2?5秒)」。これを15分間やるとなると、本数は6本ということになる。
・強度的には下記の等式が成り立つ
「50m×12本/1分10秒サークル」=「100m×6本/2分15秒サークル」=「200m×3本/4分30秒サークル」
●応用編?2
今度は15分間の中で、50mと100mのセットを両方組み込んでみます。
例)「100m×10分セット+50m×5分セット」と考える
※サークルTTが1分00秒の人の場合
・100m×4本
2分15秒サークル
・50m×4本
1分10秒サークル
という組み合わせになります。
アレンジは無限にありますが、このように1本の強度を変えないようにして色々なセットを作ってみると楽しみも増えていきますよ!
●応用編?3
W/UPをキックでやってみましょう。キックの場合、「サークルTT+20秒〜30秒」で回れることが理想となります。ここではあくまでW/UPですので、きつ過ぎないサークルに設定しましょう。
例)サークルTTが1分00秒の人の場合(サークルTT+30秒)
・キック/50m×10 1分30秒サークル
<B>ドリルセット【20分間】
第1期「ベース作り期間」は、泳ぎを見直す時期として、様々なドリル練習を取り入れ、距離やスピードよりも「フォーム重視」のメニューを組んで行きますが、そのときにメインとなる内容です。行なうドリル練習の内容にもよりますが、ドリル練習のサークル設定は、「サークルTT+30秒〜40秒」で設定してみましょう。トータル時間は20分。基本は4種類のドリルを5分ずつ行なうようにします。
例1)サークルTTが1分00秒の人の場合(サークルTT+40秒)
・片手(右手)スイム/50m×3
1分40秒サークル
・片手(左手)スイム/50m×3 1分40秒サークル
・?水中目隠しスイム/50m×3
1分40秒サークル
・?グランス・スイム/50m×3
1分40秒サークル
例2)サークルTTが1分00秒の人の場合(サークルTT+30秒)
・キック/50m×3 1分30秒サークル
・?カウント・スイム/50m×3
1分30秒サークル
・?グランス・スイム/50m×3 1分30秒サークル
・?HYP3/50m×4
1分30秒サークル
<C>有酸素セット【15?30分間】
有酸素セットは心拍数を上げ過ぎず、かつレストを短くし、長時間トレーニングを行います。そうすることで持久力アップを狙う、エンデュランストレーニングとなり。すべての期間において組み込まれるメニューとなります。有酸素トレーニングのサークル設定は、「サークルTT+5秒〜15秒」。この10秒の幅を上手に使ってサークルタイムを決め、メニューを組んでいきます。
【有酸素セット15分間】の組み立て方
例1)「50m×5分セット×3」と考える
※サークルTTが1分00秒の人の場合(サークルTT+5秒〜15秒)
・?カウント・スイム/50m×4
1分15秒サークル
・?HYP3+4/50m×4 1分5秒サークル
・?グランス・スイム/50m×4
1分10秒サークル
例2)「200m×15分セット」と考える
※サークルTTが1分00秒の人の場合(サークルTT+5秒〜15秒)
・?HYP(ハイポキシック)/200m×3 4分30秒サークル
→1本目(HYP3)
+ 2本目(HYP3-2) + 3本目(HYP3+4)
【有酸素セット30分間】の組み立て方
例1)「(50m×5分セット +
100m×10分セット)×2」と考える
※サークルTTが1分00秒の人の場合(サークルTT+5秒〜15秒)
・?カウント・スイム/50m×4
1分10秒サークル
・?HYP3/100m×4
2分15秒サークル
・?グランス・スイム/50m×4 1分5秒サークル
・?HYP3+4/100m×4
2分20秒サークル
例2)「200m×15分セット + 100m×10分セット +
50m×5分セット」と考える
※サークルTTが1分00秒の人の場合(サークルTT+5秒〜15秒)
・?HYP3/200m×3
4分30秒サークル
・?カウント・スイム/100m×4 2分15秒サークル
・?グランス・スイム/50m×4
1分10サークル
例3)「50m×5分 + 100m×5分 + 200m×10分+ 100m×5分 +
50m×5分」と考える
※サークルTTが1分00秒の人の場合(サークルTT+5秒〜15秒)
・?HYP3/50m×4
1分10秒サークル
・?カウント・スイム/100m×2
2分20秒サークル
・?HYP3-2/200m×2
4分20秒サークル
・?グランス・スイム/100m×2
2分15秒サークル
・?HYP3+4/50m×4
1分05秒サークル
<D>スピード有酸素セット【5分?15分間】
泳ぐスピードを上げ、持久力アップ+スピードアップを図るトレーニングで、第2期と第3期に取り組みます。ここではふたつの組み立て方を紹介します。
【スピード有酸素セット15分間】の組み立て方
●組み立て?1/限界サークルで泳ぐセット+有酸素セット
『スピード有酸素トレーニング』のサークル設定は「サークルTT+0秒」。これは、おそらくサークルで回れる限界だと思うので、時間は5分以内とします。そして、これに有酸素セットを加え、有酸素レベルで泳ぎながら休憩(リカバー)するというトレーニングとなります。
例1)「(50m×3分セット
+
50m×4分セット)×2」と考える
※サークルTTが1分00秒の人の場合(サークルTT+0秒)
・スイム(頑張る)/50m×3
1分00秒サークル
・スイム(リカバー)/50m×3 1分15秒サークル
・スイム(頑張る)/50m×3
1分00秒サークル
・スイム(リカバー)/50m×3 1分15秒サークル
例2)「(100m×3分セット +
50m×4分セット)×2」と考える
※サークルTTが1分00秒の人の場合(サークルTT+0秒)
・スイム(頑張る)/100m×2
2分00秒サークル
・スイム(リカバー)/50m×3 1分15分サークル
・スイム(頑張る)/100m×1
2分00秒サークル
・スイム(リカバー)/50m×3
1分15分サークル
●組み立て?2/泳ぐタイムを設定するスピード有酸素セット
これはレストを少し長めにして、泳ぐタイムを設定するスピード練習。このスピード有酸素トレーニングのサークル設定は、レストを20秒以上にすることがポイント。泳ぐスピードは自身のTT(トレーニングタイム)で泳ぐ。ここがポイント。トレーニングタイムとは、目標となる1500mの平均ラップなので、実際のレースペースということになります。
例1)TTが59秒の人の場合
・スイム(頑張る)/100m×6
2分30秒サークル(すべて1分58分で泳ぐ)
例2)TTが59秒の人の場合
・スイム(頑張る)/200m×2
4分30秒サークル(すべて3分56分で泳ぐ)
・スイム(頑張る)/50m×4
1分30秒サークル(すべて59秒で泳ぐ)
<E>ダウンセット【10分間】
ダウンセットは必ず10分間行なうようにします。徐々に心拍数を下げていくようにメニューを組むのがコツ。W/UP同様に、ゆるい有酸素レベルで泳ぐようにしましょう。ダウンセットのサークル設定は「50mでサークルTT+10〜20秒」が目安になります。
例)「100m×5分セット+50m×5分セット」
※サークルTTが1分00秒の人の場合
・100m×2本
2分30秒サークル
・50m×4本
1分20秒サークル
60分メニューの具体例
最後に、以上までを踏まえた、それぞれの具体的なメニュー例を紹介します。ここまでの考えを基に、あなたもオリジナルのオフの強化メニューを、ぜひ作成してみてください。ここではすべて、「サークルTTが1分00秒で、TTが59秒」の人の場合を想定しました。
?第1期「ベース作り期間」 12月〜1月中旬
W/UPセット<A>【15分間】
100m×4
2分15秒サークル
50m×4
1分10秒サークル
ドリルセット<B>【20分間】
キック/50m×3
1分30秒サークル
?カウント・スイム/50m×3 1分30秒サークル
?グランス・スイム/50m×3
1分30秒サークル
?HYP3/50m×4
1分30秒サークル
有酸素セット<C>【15分間】
?HYP3-2/50m×4
1分15秒サークル
?HYP3+4/50m×4 1分05秒サークル
?HYP3/50m×4
1分10秒サークル
ダウンセット<E>【10分間】
100m×2 2分30秒サークル
50m×4
1分20秒サークル
?第2期「泳ぎこみ期間」 1月中旬〜2月末
W/UPセット<A>【15分間】
キック/50m×10
1分30秒サークル
有酸素セット<C>【30分間】
?HYP3/50m×4
1分10秒サークル
?カウント・スイム/100m×2
2分20秒サークル
?HYP3-2/200m×2
4分20秒サークル
?グランス・スイム/100m×2
2分15秒サークル
?HYP3+4/50m×4
1分05秒サークル
スピード有酸素セット<D>【5分間】
スイム(頑張る)/200m×1
50mのTT×4で泳ぐ
ダウンセット<E>【10分間】
200m×1
4分50秒サークル
100m×1 2分30秒サークル
50m×2
1分20秒サークル
?第3期「スピード&LSD期間」 3月?
W/UPセット<A>【15分間】
200m×1
4分40秒サークル
100m×2 2分15秒サークル
50m×4
1分10秒サークル
有酸素セット<C>【20分間】
?カウント・スイム/50m×4
1分10秒サークル
?HYP3-2/100m×2
2分15秒サークル
?グランス・スイム/50m×4
1分05秒サークル
?HYP3+4/100m×2
2分20秒サークル
スピード有酸素セット<D>【15分間】
スイム(頑張る)/200m×1
4分30秒サークル(すべて3分56秒で泳ぐ)
スイム(頑張る)/100m×2
2分30秒サークル(すべて1分58秒で泳ぐ)
スイム(頑張る)/50m×4
1分30秒サークル(すべて59秒で泳ぐ)
ダウンセット<E>【10分間】
50m×4
1分15秒サークル
100m×1 2分30秒サークル
50m×2
1分20秒サークル
?第4期「テーパー期間」 レース前1週間
有酸素30分セット(W/UP、ダウンをかねた有酸素練習)
例1)
?グランス・スイム/50m×8
1分15秒サークル
?HYP3-2/200m×1
4分20秒サークル
?HYP3/100m×4 2分20秒サークル
スイム/50m×4
1分20秒サークル
例2)
キック/100m×1
2分20秒サークル
?グランス・スイム/50m×4 1分15秒サークル
?HYP3/400m×1
8分30秒サークル
?グランス・スイム/50m×3 1分05秒サークル
?グランス・スイム/50m×3
1分10秒サークル
?グランス・スイム/50m×2
1分15秒サークル
例3)
?HYP3-2/200m×1 4分40秒サークル
?HYP3-2/200m×1
4分30秒サークル
?HYP3-2/200m×1 4分20秒サークル
?HYP3-2/200m×1
4分30秒サークル
?HYP3-2/200m×1
4分40秒サークル
例4)
50mずつ「?HYP3」→「?HYP3-2」→「?グランス・スイム」→「?水中目隠しスイム」を30分間繰り返す。